患者さんのお口の中の状態をわかりやすく丁寧に説明しています。
当院の虫歯治療
治療に対して不安がある患者さんにできる限り安心して頂くため、丁寧に分かりやすく説明するよう心がけております。
同じ治療でも不安を抱えているのとそうでないのとでは痛みなどの感じ方も違うと考えています。堅実な治療を行うとともに、説明をし納得して治療にのぞんでもらえることが大切です。
当院では健康な歯を維持し、できる限り残していくために削る、抜く治療を最小限にするよう努めています。
また、当院では患者さんの虫歯を治療するだけではなく、どうしてそのような状態になってしまったのか、どうしたら同じトラブルが再発しにくいのかを説明し患者さんのお口の健康維持につながるよう心がけております。
虫歯になるメカニズム
虫歯の原因は細菌です。この細菌を「ミュータンス菌」と言います。このミュータンス菌が飲食物から「糖分」を取り込み「酸」を作ります。この「酸」が虫歯の主な原因です。虫歯になるプロセスは大まかに分けて5段階あります。
では実際どのような過程を経て虫歯になってゆくのか説明したいと思います。
第1段階 菌による感染
歯の表面にミュータンス菌が付着します。
ミュータンス菌は歯の表面で増殖していき、歯磨きやPMTC(歯の表面の強力な膜を取り除く施術)などの清掃を行わない限り除去できません。
第2段階 糖を分解する
ミュータンス菌がもつ酵素によって、飲食物に含まれる糖分を分解していきます。
第3段階 酸を出しさらに菌が増殖する
分解された糖分はミュータンス菌が分泌する酵素の力を借りて酸と不溶性グルカンを形成します(不溶性グルカンとは、歯に菌を付けやすくしたり、抗菌剤等から菌を守る働きを持っています)。
ミュータンス菌は自ら産生した酸と不溶性グルカンを温床としてさらに菌を増殖させます。
第4段階 歯のカルシウムが溶け出す(脱灰)
産生された酸が歯のエナメル質の表面のCa(カルシウム)を奪い取っていきます。これを脱灰といい、虫歯の第一歩になります。
さらに、新しく作られた不溶性グルカンで酸を内側に閉じ込めるように歯を取り囲みます。
第5段階 歯が溶ける
脱灰が進むとCaイオンが抜けるだけではなく、エナメル質が崩壊することになります。いったんエナメル質に欠損をきたすと自然治癒することはありません。初期の虫歯「CO」と呼ばれる段階です。
当院の虫歯治療に対する取組み
なるべく削らない治療
当院では歯を削る量をなるべく抑え、ご自身の歯を残すように心がけて治療をしております。
これまでの治療であれば虫歯を残さないようにその周辺まで削っていくことが常識とされていました。しかしできるだけ虫歯だけを削り、天然の歯のダメージを軽減することでいつまでもご自身の歯で噛むことができ、お口の中の健康を守っていくことが可能です。
不安と痛み対する対策
また当院では、不安のないよう治療を受けて頂くために説明をしっかりしてから治療にのぞみます。麻酔をする際には痛みを極力少なくするよう、歯茎に表面麻酔を塗布し、感覚がなくなった頃により痛みを感じにくくするために極細の注射針を使用して、注射液もゆっくり入れていきます。
治療後のサポートについて
患者さんの生活習慣を伺い、何が原因で虫歯になってしまったか、今後どうしたら予防できるかを丁寧に説明させて頂いています。ケア方法に関しても、その場でレクチャーを行っています。
※歯科用ケア用品も取り揃えております。遠慮なくご相談ください。
虫歯の治療方法について
虫歯治療の基本は「取り除く」ことです。
エナメル質の実質欠損がわずかであれば再石灰化が期待できる場合もありますが、実質欠損が大きい状態(簡単にいうと歯に穴が開いてしまった状態)では自然に治ることはありません。
虫歯治療には大きく分けて2つの方法があります。
つめる
虫歯の部分を除去し、コンポジットレジンという材料を詰めます。
被せる
虫歯が広範囲に及んだ場合は、金属、レジン、セラミック等の人工物を上から被せます。
虫歯は放置して進行すると痛みを伴うようになります。
その前に発見して治療すれば、範囲も小さくまた治療時に痛いこともほとんどありません。
早期発見のためにも定期的な検診をおすすめします。
しみる!それは知覚過敏の疑いがあります。
知覚過敏の症状
- 冷たい飲み物を飲むと一時的に歯がしみる
- 甘いものを食べると一時的に歯がしみる
- 風に当たると一時的に歯がしみる
このような症状を感じている方は知覚過敏の可能性が高いです。
知覚過敏とは虫歯ではないけれど冷たい飲食物、温かい飲食物を口に入れた時、また歯を磨いている時など、ある一瞬だけ歯がしみて痛い症状です。その要因や痛みの大きさは個人によって違います。原因としては研磨剤入りの歯磨き粉でブラッシングしていた、歯周病の進行によるもの、過剰なホワイトニングなどがあります。
歯の表をコーティングしているエナメル質がダメージを受けることによって象牙質がむき出しになります。そこに刺激が加わると、象牙細管から歯髄神経へと伝わり、最終的には脳に「痛み」として認識され、歯がしみると感じるのです。
知覚過敏の治療について
知覚過敏は象牙質がむき出しになったところに刺激が加わることで「しみる」という症状が出るため、治療法としては象牙質を刺激から守るため薬で覆う方法があります。
フッ化物を歯の表面に塗布するという治療法も一般的ですが、そのほかにレジンという樹脂素材などで覆うこともあります。薬を塗布する場合、1回だけで終わるわけではなく数回塗布しないと効果を感じにくく、レジンなどのコーティング材を使う場合は数ヶ月持ちますが、日々の生活によって素材が擦り減ってしまうためそれ以降も定期的に来院して頂くことが大切です。